When you sleep
今日一日の業務も終わり、エイジと小野、千影が
片付けを全て終え、帰り支度をして外に出ると
俺は、戸締りの最終確認をして、最後に店を出る。
「まだ待ってたのか・・・。」
店から出ると、エイジや小野と先に店を出たはずの千影が待っていた。
「はい。同じ家に帰るので、どうせなら一緒に帰ろうと思いまして・・・」
今日は千影が、俺の家に泊まる日だ。
週に1日か2日はお目付け役としてうちに泊まりに来る事になっている。
「バッ・・・・別に待ってなくても、女じゃないんだから、一緒になんて・・・まぁ、たまにはいいか」
そういって見たものの、自分の中で少し嬉しい自分がいて、いい年した男が
少し複雑だ・・・・・・・。
並んで歩くとき、千影は俺の少し前を歩く。
言い方を変えると、俺を守る様に前を歩く。
これは、俺が事件に巻き込まれた直後からこうなった。
千影の中で『俺を守らなくてはいけない』と言う気持ちが大きくなったものの現れだろう。
『俺は女じゃない・・・女扱いするな』と思いつつ千影に守られ、支えられている自分がいる。
今も千影が居ないと眠れない・・・・。
「若・・・どうしたんですか?ボーっとして・・・」
いつの間にかマンションに着いていた。
「いっ・・・いや・・・明日の店の事考えてたんだよ。」
千影には、こんな俺を知られたくない。
「ならいいんですけど。」
嘘をつく俺に千影は、サングラスの奥の瞳を少し曇らせた気がした。
俺は黙って千影の後ろについて部屋に向かう。
「若、疲れてる様なので用意しますから、先にお風呂に入って下さい。」
千影に誘導されながら、風呂場まで連れて行かれる。
全て洗い終わり、バスタブに浸かると心地よい温かさと疲れで眠りに引き込まれる。
夢を見た。
俺がまだ小さい時・・・
知らない男が近寄ってくる
気持ち悪い笑みを浮かべ俺の口を手で塞ぐ
もがいても、足掻いても男の手からは逃れられない
怖い・・・怖い・・・怖い・・・
あの時の恐怖が鮮明に蘇る。
「うわぁ・・・・っ!!!!」
俺の声で驚いた千影の足音が近づいてくる。
「若!!どうしました?」
バスタブの中で自分自身を抱き締める俺を見ると
軽々と俺を抱き上げ、ベットルームに連れて行かれた。
丁寧に身体を拭かれ、髪も乾かして貰った。
俺は、子供みたいだと冷静に考えられる反面
忘れられない恐怖で身体は強張ったままだった。
「若・・・・」
千影が俺の身体を優しく抱き締める。
「影・・・俺を抱いてくれ・・・酷くしてもいい・・・全てを忘れたい・・・」
俺を抱き締める腕に力が入る。
「いいんですか・・・?」
俺が頷くと強引に唇を重ねた。
口内を千影の熱い下が動き回り、舌を絡め取られる。
千影はこの愛に嘘が無い事を証明するかのように・・・何度も何度も唇を重ねる。
体中を千影の熱くて大きい手が弄る。
もう片方の手はローションを手に取り俺の体中に塗り始めた。
「んっ・・・冷てぇ・・・」
「若の体・・・すぐに熱くなりますから・・・」
そう言うと千影は俺の後ろの蕾にローションでぬめる指を突き入れた。
「あぁっ!!!!」
最初は一本だった指を二本、三本と増やし激しく体内を掻き回す。
「うぁっ!あっ・・・ぁっ・・・・あぁぁっ!!!激しっ・・・」
「若は、激しくして欲しいんでしたよね?」
千影は後ろから俺を抱えるようにしてペニスの先を指でぐりぐりと乱暴に弄る。
「あっ!!あっぁぁあぁ・・・ん・・・」
「あ・・・先っぽから凄く溢れてきました・・・若・・・気持ちいいですか?」
俺は真っ赤になって「そんな事、聞かなくてもわかるだろ」と言い返した。
「若の口から聞きたいんです・・・言って下さい・・・」
ピタリと愛撫する手を止めて俺の両腕を掴み動きを制する。
息が上がる
熱がおさまらず強い快感を求める。
「あっ・・・はっぁ・・・・はぁっ・・・っ・・・・き・・・・気持ちいぃ・・・」
「喜んでくれているんですね、若・・・今日はたくさん気持ちよくして差し上げますから」
千影が俺の胸の辺りを弄り
ツンと立ち上がった乳首が千影の指に触れ摘まれる。
「っ・・・・んんっ・・・ぁっ、いたぃっ!」
「痛い?気持ちいいでしょう?若」
「痛いっつてるだろ!やだっ・・・・影・・・痛くしないでくれ・・・痛いのは嫌だ・・・」
キツく言いすぎたか?千影はシュンとなって俺の耳元で『すみません』と
謝ると乳首にキスを落とし舌で愛撫を始めた。
「んっ・・・あっぁぁぁ!」
再び指が俺の中を掻き回す。
「か・・・げ・・・千影っ・・・ソコっ・・・」
指を抜かれた蕾に千影の熱い舌が出し入れされる。
自分でもわかってしまうほど、ヒクつく蕾がとても恥ずかしい。
「若・・・ここは、私と若が繋がる大事な部分ですから念入りにほぐさないと」
そう言う影の舌が蕾の周りを丁寧に舐めまわし
くぼみの奥まで熱い舌が入り込む。
舌先で俺の感じる部分をぐりぐりと攻め立て俺が一層声を上げるとその部分を
執拗に攻める。
「かげ・・・かげ・・・ダメ・・だ。も・・・我慢出来ない・・でる・・・」
「もう、少し我慢してください。」
影がズボンと下着を脱ぎ捨てると、そこから熱く固い肉の塊が現れた。
ソレはとても大きくて凶器の様だった。
「挿れますよ・・・」
脚を大きく開き宙に浮いた状態で影はソレを乱暴に突き立てた。
「あ゛ぁぁっ!!!!・・・・ぃぁぁっ・・・・あっ・・・っ・・・あっ!」
今までに感じた事のない圧迫感から逃れたくて、ビクビクと身体が反応し
背中を仰け反らせて、シーツを強く掴んだ。
まだ、半分しか挿っていないソレは俺の身体に全てを無理矢理埋め込んだ。
「っあ─っっ!!・・・・うっ・・・・うっ・・・くるしっ・・・」
「動きますよ・・・若・・・力抜いてください・・・」
ゆっくりと抜き差しを繰り返すが、徐々に激しく奥に埋め込んでくる。
「ア・・・アッ・・・・ぁっぅ・・・あぁぁっ!!!ちかげ・・・か・・・げ・・・っ・・・」
どこかに、いってしまいそうな程激しく腰を揺すられて怖くて
俺は影の身体に縋りついた。
「愛していました・・・昔から・・はぁっ・・・はぁっ・・これからも・・・・」
耳元でそう囁かれて、俺の瞳から涙が自然と溢れた。
「あっ・・・俺・・・も・・・でる・・・アアッ・・・・っっ!!」
俺がイった後、影も俺の中で白濁とした液を解き放った。
影と視線が重なる。
「これからも・・・ずっと・・・・若を愛しています・・・」
影が俺の手の甲に優しくキスをする。
視線を合わせたまま唇を重ねる。
目を瞑りたくない。
眠りたくない。
ずっと、影が俺を見てくれているのを感じたい。
だけど・・・暖かい視線が俺を眠りに誘う。
目が覚めても・・・明日になっても・・・夢じゃないよな・・・。
When you sleep
-あなたが眠るとき・・・私はずっと傍に・・・-
END
H18.7.30
春夜
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